原発について

はじめに

前回「エネルギー基本計画」では原発を増やす方針であると話しました(※原発依存度は減らす方針)。

3E+Sでは安全性の確保を大前提としていますが、そもそも原子力は安全であると言えるのでしょうか?

原子力発電とは

原子力発電所では、ウラン燃料を原子炉の中で燃やして発電します。

1年に1回原子炉に入っているウラン燃料の1/4~1/3を新しいものに取り替えますが、その時に原子炉から取り出される燃料を「使用済み燃料」と言います。

使用済み燃料の中には、放射性物質が含まれており、それらは人体に大きな害を与えます。

原子力の危険性

危険① 放射性物質漏洩のリスク

発電後に残る使用済み核燃料には体に有害な放射性物質が含まれています。

それらは最終的に固めて地下に埋設されますが、漏洩する危険は全くないのでしょうか?

このように使用済み核燃料は最終的に地下に埋設されますが、その最終処分場として受け入れる自治体がなかなか決まらないと言う問題があります。

この点から、埋設処分の安全性について疑問視している声が多いということが分かります。

危険② 事故が起こった際のリスク

史上最悪と言われているチェルノブイリの原発事故は、30年経過した今でも廃炉計画の目途が立っていません。

また、2011年3月11日に起こった福島第一原発事故は、国際原子力事象評価尺度 (INES) において、チェルノブイリ原発事故と同等のレベル7(深刻な事故)と評価されています。

これらのような大きな事故が起きると、被害やコストが莫大で人の手に負えないほど恐ろしいものになってしまいます。

原子力のメリット

では、これだけ危険な原発をどうして続けるのでしょうか?

メリット① 供給が安定

準国産エネルギー*のウランは、

  1. 石油とは異なり産出国が偏っていない(様々な国で資源が採れる)。
  2. 輸入が政情の安定した国々に分散しているため、石油や石炭と違って価格高騰の恐れがない
  3. 少しの量で大量の電気をつくることが出来るため、万一輸入がストップしても約2.4年間原子力発電所の運転を継続できる。

  • このように原子力は、燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持できる低炭素なエネルギーであるため、“準”国産エネルギーと言います。
(参照:エネルギー基本計画

メリット② 発電コストが安い

少しの燃料で大量の電気を作ることが出来るため、発電コストも安いです。

原子炉のウラン燃料を一度取り替えると一年以上発電できます。

メリット③ CO2や有害物質を排出しない

原子力発電は、CO2排出量が自然エネルギーと同じくらい少なく、硫黄酸化物や窒素酸化物などの有害物質を排出しません。

法律の強化

5-1.福島原発事故以前の法律

日本は地震大国であるにも関わらず、地震や津波などの自然災害に関する対策すら十分に行われていませんでした。

5-2.原子炉等規制法

正式名称「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」。

福島原発事故の影響を受けて大幅に改正され、原子力規制委員会によって2013年7月8日に施行されました。

5-3.新規制基準の基本的な考え方

原子力発電所の安全確保の考え方は、新規制基準では「深層防護」を基本としています。

<深層防護について>

「人間はミスを犯す」「機械は故障する」ことを前提に、人間の誤操作や機械の誤動作があっても安全が確保されることを目指しています。

仮にトラブルが発生しても、トラブルの拡大を抑え、影響を最小限に止めることを目指しています。

  1. 「異常」とは、機器の故障や運転員の誤操作、さらに地震などの災害により「通常の運転ができない状態」をいいます。
  2. 「事故」とは、異常が拡大して「施設から外に放射性物質が放出される事象」をいいます。
(参照:電気事業連合会

5-4.原子力発電の運転期間

原子力発電所の運転期間は原則として40年に制限します(許可を受けた場合20年を上限として延長できる)。

また、運転開始後30年経った原子炉施設について、以降10年ごとに点検・評価を行うこととします。

5-5.結論

法律の強化によって以前よりも安全管理が徹底されるようになりましたが、絶対的な安全が保障された訳ではありません。

原発が安全であると言ってよいのは、例え使用済み燃料が漏洩したとしても、放射線を無効化する(人間に害を与えない)ような方法が解明された時です。

しかし、原発は人間に有害な「使用済み燃料」を発生させる時点で危険なものであり、クリーンで100%国産エネルギーの再生可能エネルギーが原発のメリットを上回ることが日本のエネルギーの最良の未来と言えます。

  • 原子力から生み出される「使用済み燃料」の放射線を人体が浴びると最悪死亡してしまう。
  • 原発は「安定・低コスト・クリーン」と、事故が起こらなければ最高の発電方法であるが、事故が起きてしまったらそれを覆い返すほど莫大な被害を被ってしまう。
  • 福島第一原発事故以降は特に安全性が懸念され法律が強化されたが、絶対的な安全が確保された訳ではない。
  • しかし、再エネは出力の不安定さやコスパなどの点で現時点では原発に劣っているため、そのため今すぐ原発をなくすことは出来ない。
  • そのため今後は、原発に替わる再生可能エネルギーの開発を一刻も早く進めるべきである。